第12章 しのぶと呼ばれたの~♪、の巻
(ま、まずい……見つかっちゃった(汗))
僕が俯いたまま固まっていると、そのお爺さんがガシッと僕の手を掴んだ
「!!!」
(どうしよう!連れてかれちゃう!!)
「…しのぶちゃん?」
「………え?」
(し、しのぶちゃん??)
驚いて顔を上げてお爺さんを見る
(アレ?…どっかで見覚えが…
…あっ!!!)
「たぁちゃん?」
「おぉー!やっぱしのぶちゃんじゃあ!」
お爺さんは嬉しそうに僕の手を握り直した
何の廻り合わせか、目の前に居たのは、僕が昔バイトしていた銀座のクラブの常連さん
で、しのぶって言うのは僕の源氏名だった
「久しぶりじゃのぉ〜!
しのぶちゃんったら急にお店辞めちゃうから、たぁちゃん寂しかったよぉ〜!」
「うん、久しぶり…ちょっと、色々あってね(笑)」
「そうなのかい?
いやぁ〜、でも全然変わってないの〜!相変わらずべりーきゅーとじゃっ!」
「うふふ、ありがとう♡
たぁちゃんも元気そうで良かった」
「ソレはそうと、こんなトコで何をしてるんじゃ?」
「え?」
あ、イケナイ…僕、隠れてなきゃいけない癖に話し込んじゃって…(汗)
「たぁちゃんゴメンね…詳しい話しは出来ないの…」
「なんでじゃ?」
「何でって…だって僕、お家の人に見つかるとマズイんだもん」