第11章 二度目の新婚旅行、の巻
…ミッシェル
僕の、ミッシェル
「…リョウ?」
ああ、ミッシェル
…やっと届いた…
僕の声が…やっと…
「…何処に居るんだ?…僕の、愛しい君…」
此処だよ…僕は何時でも貴方の傍に居た
ミッシェル…貴方の罪は、僕の罪だ…
「あぁ…リョウ…僕は…」
良いんだよ、ミッシェル…
…解ってる…
さあ、オイデ…
…共に、逝こう…
…共に…堕ちよう…
その晩
僕らが愛を確かめ合っていた頃
冷たい留置所の中で
彼は身に着けていたシャツで首をキツク縛り
自らの命を絶った
苦痛に歪んでいる筈のその顔には
安堵した様な微笑みが浮かんでいたと言う
僕は決して何人たりとも
それが他人でも…自分でも
その命を絶つ事は、イケナイ事なんだって翔くんから教わった
だけど
そうでもしなければ終われない愛の形も
あるのかもしれないって…
翔くん
僕は決してそんな事しないけど
そうゆう愛の形もあるんじゃないのかって
…思ったんだ