第11章 二度目の新婚旅行、の巻
(寒い…凍えそう…なんだか眠いし……でも、寝ちゃダメなんだ)
小屋の中は勿論火の気なんかないし、置いてあるものは園芸用品ばかりだから
暖をとれるような物は何も無かった
外は雪が降ってるし、見つかってはいけないと思って移動も出来ない
だから僕は、仕方なく小屋の片隅で膝を抱えて丸くなって凍えていた
(このままこうしていたら、もしかして凍死とかしちゃわないかな?)
何時も、寒がりな僕がちょっとでも寒そうにしていると、翔くんの暖かい腕が僕を包んでくれた
『智くん、寒いの?大丈夫?』
そう言って、優しく僕を抱いてくれる
「……」
冷え切った自分の腕で体を抱いても、ちっとも暖かくなんかなかった
「…翔くん///」
またじわっと涙が滲んで来て、慌ててソレを拭おうとしたら横に置いてあった物を倒してしまった
ガシャンという派手な音が小屋に響く
「!!しまった…」
「Whom?Weave…anyone?」
「!!!」
小屋の外から声がして、ドアを開ける音がする
(どうしよう…みつかっちゃう!!)
そんなコトしても無駄なのに、僕は壁に顔を向けて、出来るだけ体を小さくして隠れた
「To answer?…Who is?」
足音が近づいてくる
そして、その足音がハッとした気配と共に止まった