第2章 新婚な俺たち、の巻
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「…さてと」
僕は時計を見た
只今八時ちょっと過ぎ
「…翔くん電車間に合ったかな?(苦笑)」
(今日は帰りが遅くなるからバイトの前に夕飯の支度しなくっちゃ)
翔くんと暮らし始めた当初僕は、主婦業(笑)だけに専念していたのだけれど、翔くんの勧めもあって、図書館でバイトを始めていた
僕にとっては、家事と翔くんのお世話が一番大事な仕事だったから、本当は毎日翔くんより早く帰宅してお夕飯の準備をして翔くんの帰りを待って居たかったんだけど
今日みたいに、たまに遅番の人と替わってあげちゃうことがあったりした
そんな僕に、翔くんは
時間が無い時は、夕飯は買い弁でいいよって言ってくれるんだけど
僕はそれでも、買い弁なんかにはしないで、作りおき出来るものを出かける前に用意するようにしていた
(だって、せっかく一緒に住んでるんだから、毎日美味しいご飯を作ってあげたいもん!)
「…僕ら一応新婚だし///」
(…あぁ…それにしても、翔くんのプロポーズ…感動しちゃったなぁ…///)
僕は、ぼんやりと翔くんがプロポーズしてくれた時の事を思い出した
(翔くんたら、泣き過ぎて目も鼻も真っ赤だったけど、凄く真剣で…すんごく格好よかった…///)
「……はぁ///
って、いけない…夕飯の準備しなきゃ!」
カッコいい翔くんを思い出してぼんやりしていた僕は、ハッと我に返って支度に取りかかった
…とはいえ、まだスーパーが開いてる時間じゃないのでお夕飯の準備は出来ない
「先にお掃除とお洗濯しよっと♪」
僕はお掃除が大好きだった
特に床磨き命!みたいな(笑)
(前住んでた部屋なんて、やたらに広かったから暇な時に一日中床磨きして潤くんに…)
―ズキッ…
(ダメだな…僕)
僕は、痛み出した胸を押さえて小さく溜め息をついた
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