第9章 ハッピーウエディング、の巻
「…幸せになれよ」
俺は教会の外から智の姿を見送った
遠ざかって行く愛しい智の、その笑顔には一点の曇りも無く
彼が今、どれ程幸せなのかを伺わせていた
あんな笑顔を、俺の手でさせてやりたかった
ただ、俺の傍にいて
俺の為だけに、幸せそうに笑っていて欲しかった
…だが、それはもう永遠に叶う事の無い願い
“潤くん”
久しぶりにお前に名を呼ばれ、疼く胸の痛み
それが許されない想いだと知っていても
…それでも…
「……帰るか」
もう二度と報われる事の無いであろう想いを抱えて
俺は、妻と子の待つ家へ向かって歩き出した
智…永久に愛する人よ
お前への想いは、この先どれだけ時が流れても
決して消える事は無いだろう
智…そしてお前は
何時までも俺の胸を焦がし続けるんだ
…永遠に…
to be “kagonotori”
…なんちて(笑)by猫