第9章 ハッピーウエディング、の巻
「まぁ、そんなに嫌なら無理に着る事ないと思いますけど…櫻井さん、がっかりすんじゃないですか?」
「だから、イヤじゃないってば」
「でも、乗り気じゃ無い?」
「………笑わない?」
「ん?」
僕はまな板に残った野菜のカスを意味も無く切り刻みながら、ボソッと言った
「………ちょっと、憧れてたの、ウエディングドレス///」
「なんだ、じゃあそう言えば良いのに(笑)」
「…そうやって笑われるから言いたくなかったの!///」
僕は膨れて更にまな板を叩いた
それを見て、ニノが眉を寄せる
「…俺はまな板を食わされるんですか?」
「…そんな訳ナイでしょ///」
そう言って包丁を置いたら、溜め息が漏れた
「…だからね?
ウエディングドレスを着るのは、僕自身はどっちかって言えば嬉しいんだけどさ
ただね?
…翔くんが恥ずかしい思いをするんじゃないか、て…思って…
そんな、男の癖にウエディングドレス着た花嫁を連れてバージンロード歩くなんて…」
そんな僕の肩を、ニノがそっと抱いてくれた
「バカですねぇ、櫻井さんがそんなコト思う訳ないでしょ?」
「そうかな?」
「そうですよ。
嬉しすぎて泣き過ぎちゃって、恥ずかしい事になる可能性は高いですけど」
「うふふ、ニノってば」
僕が笑うとニノもニッコリ笑って言った
「きっと、何処のお姉ちゃんより綺麗ですよ?大野さんの花嫁姿」