第8章 智くんのお父さん、の巻
「翔くん…起きてる?」
「ん?起きてるよ?…どうしたの?」
明日は土曜日
智くんと一緒にお母さんのお墓参りに行って、それから病院のお父さんの所に行く約束をした日
それで、早めに寝てしまおうと、風呂と夕飯を済ませて早々に二人してベッドに潜り込んだのだが…
「…眠れないの?」
「ん……眠れないの」
智くんは布団を頭からすっぽり被って、俺の脇腹辺りに抱きついた
「そんなに布団に潜って…苦しくないの?」
「…翔くんの匂いがして、きもちいい」
「はは、俺の匂い?」
「ん……凄くね、落ち着くんだ」
そう言うと、わき腹に顔を擦り付け始めた
「…あのね、智くん…そんなことされると、今度は俺が眠れなくなっちゃうんですけどね」
「翔くん、知ってる?」
「ん?」
智くんは布団に潜ったまま、顔を俺に向けると、ちょっと恥ずかしそうに笑った
「あのね、頭が疲れている時はね、カラダを疲れさせるとよく眠れるんだって///」
「体を疲れさせるの?」
「ぅん、だから、その…う、運動をね、するとね…良いんだって////」
「運動って?」
本当は、智くんが何を言いたいのかは解っていたけど
照れる智くんが可愛過ぎて、ちょっとイジワルを言ってみる
「ん〜!翔くんのイジワルぅ////」
「ふふ、ゴメンゴメン…智くんがあんまり可愛いから、つい(笑)」
「むぅ…なんで、可愛いとイジワルするの?
それなら僕可愛くなくていいもん!」
「えぇ?可愛くないと、俺、智くんと一緒に運動出来なくなっちゃうかもよ?」
智くんは顔を真っ赤にして布団から這い出した