第8章 智くんのお父さん、の巻
「なんかね、断るにしても、ちゃんと手続きしないといけないから
やっぱりあの人のトコに行かなくちゃいけないんだって…」
「そ、そうなんだ…」
超パニック状態の俺が落ち着くのを待って、智くんが話の続きをし始めた
「…絶対、相続なんかしないし、結婚なんかしない…
だって、僕には翔くんって立派な旦那様がいるんだもん」
立派かどうかは定かじゃないけど…確かに俺と智くんの中では二人は夫婦な訳で…
でも
「でも、智くんそれは…」
「解ってるよ…僕らの結婚なんて、ただの口約束だもんね」
「……智くん」
困惑する俺を見て、智くんが何時ものふんわりした優しい笑顔をみせた
「でもね、僕にとっては、永遠の誓いだから」
「…智くん」
「僕は、永久に貴方だけを愛すんだって、心に誓ったの…だから…」
「俺もだよ、智くん…俺だって、永遠に君だけを愛し続けるよ」
「翔くん…」
「智くん…」
「…しょ〜くん…」
「…さとしくぅ〜ん…」
…ん?ちょっとまて、コノ感じは…
また、終わらないアレが始まっちゃうぞ、とか思ってたら、智くんが可愛く首を傾げて言った
「ねぇ、“永久”と、“永遠”って、どっちのが想ってるってことなのかな?」