第43章 我が家にヤツがやってきた!、の巻
「あ、ああ…今行くよ!」
俺は、ニノの何とも言えない視線を背にキッチンへ向かった
すると、そこには…
「あ、翔くんこれ…
…いやん、もぅ、そんなにお口ばっか舐めないで♡」(←抱っこしたトイプーちゃんに口の辺りをペロペロ舐めまくられている)
「Σ!!!!!!」(←撫でぃ、ムンクの叫び中(笑))
この後俺が
愛妻の唇を勝手に舐め倒す不届き者をその腕から引き剥がそうとして、智くんに怒られたのは
言うまでもない。(←怒られちゃったんすね(笑))
それから
奴を手放そうとしない智くんに怒られて、渋々お茶をリビングに運んだ俺は
すっかりイジケて部屋のハジッコに体育座りをしていた
それを見て智くんが(奴を抱っこしたまま)ちょっと困った顔で苦笑いして言った
「もう、翔くんてばいつまで拗ねてるの?(苦笑)」
俺は、めいいっぱい縮めて曲げた足に顎を載せて
そんな智くん(と奴)を、チラ見して反論した
「………拗ねてないもん。」(←いや、100%拗ねてるでしょう)
「…ったく、しょうもない」
“拗ねてない”と言いながら無意味に絨毯の毛をむしる俺を見て、ニノがバカにした様に鼻を鳴らした
「…ねぇ、翔くん…」
その横で
智くんが奴の茶色いふわっふわの毛を弄くりながら俺に言った
「な、なに…?」
「うん……あのね?
翔くんが、どうしても飼うのが嫌だったら
僕、諦めるよ…?」
「えっ…?」