第39章 let's クリスマスパーティー!、の巻
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「あ〜、楽しかったねぇ」
「うん
……智くん大丈夫?疲れてない?」
「大丈夫だよ(笑)」
「そっか、良かった(笑)」
楽しい時間はあっと言う間に過ぎるもので
夕刻になり、そろそろお店に行かなくちゃって、ニノとあーばちゃんが帰った後
みんなも遅くなると悪いからってコトで
クリスマスパーティーはお夕飯前くらいの時間にお開きになった
それで、みんなでお片付けをして帰って来たのだけれど
『勿体ないからお夕飯に』
って、お母さんがみんなに余ったご馳走が入ったパック(笑)を配ってくれた
僕は、そのパックの入ったお土産の包みを両手で抱え
翔くんに肩を抱かれながらすっかり暗くなった自宅までの道を歩いていた
「でも、ほんと楽しかったなぁ」
歩きながら、さっきまでの楽しい一時を思い出す
「そう言えばさぁ、シゲルさんってさぁ、ラジコンの操縦も上手いよねぇ
僕らは同じの持ってるから使い慣れてるけどさ、シゲルさん初めて操縦したのに優勝しちゃうんだもんねぇ」
「そうだよねぇ、凄いよねぇ……ああ見えて案外器用なのかな?」
シゲルさんの見事なラジコンヘリの操縦を思い出して感心する僕
そんな僕を片腕に抱いた翔くんが、うーんと唸りながら言った
「でもさぁ、シゲルさんも凄いけどさぁ、ニノも凄いよなぁ
…あいつ、マジシャンになっても食っていけるんじゃねぇか?」
「そうだねぇ」
「……けちだけどさ」
「あははは、けちは関係ないじゃん(笑)」
実は
一回目のラジコンヘリレースの後、もう一回レースをしようと言う話になったんだけど
ニノのことが気になっていた僕は、ニノの様子を見て来るからとそれを断り、レースに参加したそうにしていた村上さんにラジコンヘリを預けた
ついでに翔くんも、「俺もニノのマジック見たい」って言って、弟さんにラジコンヘリを押し付けて一緒にニノたちのところへ行った
で
翔くんは、初めてマトモに見たニノの手品の腕前にすっかり感心してしまったみたいで
頻りにニノに手品を教わろうとしてたんだけど
…翔くんは不器用だから無理だと教えてもらえなかったらしい(笑)
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