第38章 忘却の彼方に…、の巻

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「……きっと、智くんは……俺のこと、思い出しかけてくれたんだ……」



俺は、堅く閉ざされた寝室の戸の前に体育座りしてその扉をじっと見詰めながら

ボソッと呟き

ズルッと鼻を啜った(←寒いらしい)



何故、そんなコトで体育座りをして鼻を垂らす羽目になって居るのかと言うと


智くんが、叫びながら気を失ってしまった後、程なくして戻って来たニノに、寝室から追い出されてしまったからだった


で

何故に寝室から追い出されてしまったのかと言うと…







「Σちょっと！

大野くんどうしたんすか！？(汗)」



気を失ってしまった智くんを膝の上に抱え、床にへたり込み半べそをかいていたら

自宅から戻って来たニノが、合い鍵を使って部屋に入って来た(←さとちが意識不明だった間、ニノが翔くんと交代で智くんを看ていたので合い鍵を持っているらしい)


それから、俺の膝の上でぐったりしている智くんを見ると大慌てで駆け寄って来た



「…うん、実はさ…ちょっと…」

「ちょっと何です！？」

「…ちょっとね、智くんが…俺の智くんの片鱗を見せまくってくれたもんで、つい、こう…」

「つい、何したんすかッ！？(怒)」



俺の歯切れの悪い話を聞きながら、みるみるニノの顔が般若の如く恐ろしくなって行く

俺はニノの剣幕に若干ビビりながら、小さい声で言い訳をした



「…だって、智くんが…優しく俺の鼻水とか拭いてくれたりして…

…嬉しくてつい、ぎゅっとこう…」

「ギュッと！？ギュッとなにしくさったんすかッ！！あぁんッ！！？(怒)」(←わんこ恐すぎだから)

「……だ、だだ…抱きしめたっつうか、その……あの……(汗)」(←わんこの迫力に圧されてしどろもどろ)

「何ですってッ！？(怒)(怒)」

「Σひぃっ！！(泣)」(←笑)

「大野くんの記憶がまだ戻らないのに襲おうとしたんすかコノ撫でエロ旦那ッ(怒)(怒)(怒)」

「ち、違うよ！俺はただ…(汗)」

「黙らっしゃいッ！！！(怒)(怒)(怒)」(←撫でぃの膝の上からにゃんこを奪取)

「あっ…(汗)」(←恐くて抵抗出来ない撫でぃ)



ニノは激怒しながら俺の膝の上から智くんを奪取すると、そのまま両腕に智くんを抱きかかえて立ち上がった



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