第37章 嵐の到来、の巻
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「…………」
ニノと相葉くんが二階へ行った後も、俺はリビングの入り口に立ったまま
ベッドで眠る智くんの寝顔を見ていた
静かに上下する胸元が、よく眠っている事を物語っているし
その寝顔も、特に苦しげな感じは見てとれなかった
それでも
俺はすぐにその傍に駆け寄る事が出来ずに
じっと立ち尽くしたいた
(……どうして、俺じゃなくてニノを頼ったの?
……俺じゃ……俺は、君の助けにはならないの……?)
そんな
ニノへの嫉妬だか、自分への情けなさだか
何だか解らない気持ちが、もやもやと胸を覆って
その場から動けない俺
「……ん……」
と
不意に智くんの寝顔が歪んだ
「……しょ、…くん……」
「っ…!!///」
小さな声で、不明瞭ではあったけど
確かに自分の名前を智くんが呼ぶのを聞き、冷めていた体温が一気に上昇して
俺はダッシュで智くんに駆け寄った
「智くん、俺はここだよ!ここに、…居るよっ…!!///」
言いながら、涙が溢れて来る
我ながら自分の涙腺の緩さにまた情けなくなったけど
でも、そんな事よりも今は智くんの事で頭がいっぱいで…
俺は、智くんのベッドから少し出ていた白く細い手を握ると
それに自分の唇を押し当てた