第7章 思い出の別荘、の巻
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…だからさ
雅紀がその辺のお姉ちゃんとか…お兄ちゃんとかからナンパされるのなんて
別に珍しくもなんともない
アイツは無駄にスタイルが良くて、顔もまあ、イケてるし
温厚でフレンドリーだから、初対面でも話しやすいし
声、掛けられても、何の不思議も無い
…だから
慣れてるから
そんなの、気にしない
「ニノ!ソフトクリーム、一個オマケしてもらっちゃった!」
「…あ、そ」
気になんか、しない
「売店のお姉さんにさ、可愛い恋人が待ってるからって言ったら、その子の分って、一個オマケしてくれたんだよ〜♪」
「…あ、そ///」
気にするだけ、無駄だから
「はい、ニノちゃん、あ〜ん♪」
「バカ、自分で食うよ!」
だって
雅紀の頭の中は、俺でいっぱい
「えぇ〜?俺もおーのくんたちみたいに、イチャイチャしたいよぉ〜!」
「しねぇよ、バカ!」
雅紀は、こんな俺に夢中
「じゃ、俺にあ〜ん、して♪」
「一緒だろ!バカっ(怒)」
雅紀は、素直じゃナイこんな俺が
大好き
「もう、ニノは本当に照れ屋さんなんだから♡」
「照れてねぇよ!離せよバカっ!鬱陶しい(怒)」
だって、雅紀は知ってる
俺の“バカ”って言葉は
「も〜、またそんな、ばかばかって…」
「バカだから、バカって言ってんだよ(怒)」
本当は“愛してる”って意味だってこと
「ニぃ〜ノぉ〜♪愛してるよ♡」
「……バカ///」
それが、俺と雅紀の愛のカタチ
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