第36章 奇跡の予兆、の巻
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その日は
朝から、台風の影響で凄く風が強かった
僕は、ここ数日、ずっと胸焼けがして調子が悪かったのだけれど
その日は、嵐が近付いている所為なのか
頗る調子が悪かった
翔くんは、そんな僕を心配して
「台風が来てるんだから帰りに電車が止まっちゃったら大変じゃん!
だから会社休むッ!!」
とか言って、会社へ行かないと散々駄々をコネていたんだけど
どうにかそれを宥めて会社に送り出した後
僕はギャラリーへは向かわずに、簡単に家事を済ませると
ずっとベッドの上に寝転がってうたた寝をしていた
………pururu……pururu………
「…………ん…………」
どれ位ゴロゴロとうたた寝を居ていただろう
僕は、ベッド脇に置いた携帯電話の着信音で目を覚ました
「……んん〜…………あ、ニノだ」
僕は、それがニノからの電話である事を確認すると
寝転がったまま電話に出た