第36章 奇跡の予兆、の巻
…それでも
俺は、愛する君の為に
どうしようもない衝動をグッと堪える
「…だめ、もうちょっと」
「ずるぃ、よぅ……しょぉってばぁ///」
「何が狡いの?」
「だってぇ…
…僕ばっか、こんな、で…
…しょおは、て、んで……余裕、なんだもの////」
(余裕なんて、これっぽっちもないよ)
俺は、心の中でそう呟くと
君の中に指を忍ばせたまま伸び上がって
ちょっと膨れて尖った唇に
チュッと
わざと音を立ててキスをした
「んっ///」
「…もうちょっと……あと、ちょっと……ね?」
「………ぅん///」
智くんは俺に念を押されると
観念した様に小さく頷いてキュッと唇を噛んだ
(ああ、もう……そんな可愛い顔してさ///)
…狡いのは、君の方だ
「……辛くない?」
「ぅん、へいき///」
「……痛くない?」
「ぅん、ぃたくなぃよ///」
可愛すぎる君に
高ぶりすぎた欲望を鎮める様に
君の中を撫でつけながら訊ねる
君は、その行為で齎される快感に震えつつ、俺の問いに小さな声で答えて
その場所を可愛くヒクヒクさせながら、その瞬間を待ちわびていた
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