第35章 夢のあとのその先(後編)、の巻
.
……解ってる
大野くんも、潤くんも
決して、俺の事を責めたりなんかしないって
大野くんが、櫻井さんと愛し合う様になったのも
大野くんが、潤くんと別れてしまったのも
俺の所為じゃないんだって
…解ってる
でも
もしかしたら、俺には
大野くんを、櫻井さんから遠ざけたりとか
大野くんが、潤くんの元から去らないように仕向けたりとか
…あのまま、大野くんが潤くんのマンションに閉じ込められて生きていく様にすることが、出来たんじゃないのかって…
だけど、それは……大野くんにとっても、潤くんにとっても
決して幸せな道では無かったろう
…それに、俺は…
潤くんに自由を奪われて、哀しみの中で暗く沈んで行く大野くんと
大野くんに心を奪われて、余りにも彼を愛するが故に壊れて行く潤くんを…
そんな二人を……あれ以上見ていたくなかったから……
だから
わざとそう仕向けて自分がそうさせたのでは無いにしろ
心の中で二人の破局を願って、大野くんが新たな幸せを掴むことを願っていたのは
紛れもない事実だった
…だから、俺は
二人に対して、ずっと後ろめたい気持ちがあったのだ
「……………運命、か。」
そんな俺に
大野くんは、全ては運命なのだと言ってくれた
誰が悪いわけでなく
そうなるのが運命だったのだと…
「………………運命、ね。」
俺は、静かな溜め息をつきながら
リビングの入り口から、大好きな親友の様子を伺った
「ん〜、しょおたぁん♡
んふふ……うふうふうふ////」(←旦那と手を握り合って一緒に左右に頭を振っているにゃんこ)
「さぁとしきゅうん♡
でへ…でへへ…ふへっ/////」(←同じく頭を振りながらでへでへ笑っている撫でぃ)
「あひゃあ〜、つまみ、うま!でもニノはもっとうまい!!
あ〜〜、くいてぇ〜〜!!
あひゃひゃひゃひゃ!!!////」(←わんこが作ったサラダを手掴みで食いながらあひゃあひゃ笑っているあーばちゃん)
「……………………運命。」
俺は、超げんなりしながら酔っ払い三兄弟の惨状に
ふっかぁ〜〜〜い溜め息をついた
.