第34章 夢のあとのその先(中編)、の巻
.
ぼんやりと、潤くんと友達になれる気がする、なんて思っていた僕の涙を拭った潤くんの指が
ゆっくりと、僕の顔の輪郭を辿るように動いた
(………え?///)
そして僕の唇を
まるで、指先でキスするみたいに
ゆっくりとなぞった
「………」
「………」
無言で僕を見詰める潤くんの指が、僕の唇の上を、行ったり来たりして撫でる
その指先は、間違い無く……キスを誘っていた
(だめだよ、潤くん………それは、出来ない)
僕は、自分の唇に置かれた潤くんの指を
優しく握った
そして、その手を握った自分の手ごと、潤くんの胸に押し戻した
「…僕らはもう、あの頃みたいな子供じゃない…
…ちゃんと分別のある大人でしょ?」
僕が静かにそう言うと、潤くんは自分の手を握った僕の手を振り解いて
今度は僕の顎を捕まえた
「大人だって、分別を忘れることくらいあるだろ?」
顎に添えられた指が、再び僕の唇を這う