第2章 新婚な俺たち、の巻
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「おはよう、しおりちゃん」
「あ、大野さんおはよう御座います」
ココは僕がバイトしてる図書館
そんで今挨拶したのは同じバイト仲間の咲田しおりちゃん
文系の大学に通う女子大生なんだ
「ごめんなさい、急に替わって頂いて」
「んーん、それより早く行った方がいいんじゃない?
デートなんでしょ?」
しおりちゃんの彼氏は刑事さんで、忙しくてなかなかお休みが取れないの
でも今日の午後急にお休みになって…
「本当に御免なさい…こんな下らない理由で替わって頂いて…」
「良いよ。彼氏にヨロシクネ?」
「はい、有り難う御座います///では、お先に失礼します」
「うん、お疲れ様!」
しおりちゃんは何度も振り返って、ペコペコ頭を下げながら帰って行った
「ふふ、可愛いなぁ」
デートかぁ…
(僕だって一緒に暮らし始めてからも毎週土曜日にデートしてるもん!
お散歩してぇ、ランチしてぇ、相葉ちゃんとこ行ってぇ…)
で、夜は…////
「…顔があちゅい////」
僕は手で顔を扇いだ
でも、ちっとも涼しくない
「はぁ、僕ってダメだな…すぐ赤くなっちゃう///」
(…恥ずかしい///)
どうにか顔を冷まそうとカウンターに置いてあったパンフで扇いでみる
「…ん?」
よく見たら、僕の好きな若冲の絵画展のパンフだった
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