第30章 むらぴーとゆうこりんの結婚式、の巻
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お色直しも凄かったけど
何って、地元の友人たちの余興もハンパなかった
手品に歌といった、割と定番なものもあったけれど
極めつけが、プロ顔負けの漫談(笑)
もう、会場が爆笑の渦に巻き込まれて
智くんなんか、笑いすぎて涙を流していた位だ
だけど、悲惨だったのは、その後
では、本日のスペシャルゲストですと紹介されて
何となくテレビで見たことがあるような無いような若手芸人が登場して、コントを披露したは良いのだが
その前の友人による漫談のクオリティーが高すぎたのか
完膚無きまでに駄々スベり。
…会場が、一気に凍り付いてしまった(笑)
ところが
その空気に堪えかねた村上が、雛壇から飛び降りて
決死の一発芸(笑)を披露
それがバカウケして、会場はまた爆笑の渦に
…その笑いの渦の中、若手芸人のお二人は、誰に見送られる事もなく、静かに会場を去っていった(笑)
「でもさぁ、あの芸人の人たち可哀想だったねぇ」
ベッドに座ってボケッと披露宴の事を思い返していた俺は、智くんの声で我に返った
智くんは、何時の間にか着替えを済ませていて、もう寝間着を着ている
「あ、智くん着替えたんだ」
「うん、翔くんも早く着替えなよ……はい♡」
智くんはそう言ってにっこり笑うと、智くんとお揃いで色違いの、紺の寝間着を差し出した
「ありがとう♡」
「んふふ(笑)
ね、翔くんお腹空いてない?引き出物のバームクーヘン食べる?」
「食べる食べるぅ♪」
「ふふっ……じゃあ、着替えちゃってね?今用意するから♡」
「はぁ〜い♪」
「んふふふふ///」
智くんは元気に返事をする俺を見てクスクス笑うと、寝室を出て行った
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