第24章 初ガチ喧嘩、の巻
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「……俺はさ」
二ノがカフェオレを啜りながら話をつづける
「あんたが、どんだけあのエロ潤を本気で好きだったのかを知ってます
…自分をトコトン犠牲にしても、あの無節操男に尽くすあんたを間近でみてましたから…
だからね……もう、我慢して欲しくないんです」
「………」
僕は二ノの話を聞きながら、ゆっくり椅子に座り直した
その僕をチラリと見てから、二ノがカフェオレのカップに視線を落とした
「自分の気持ちを押し殺して……言いたいこと飲み込んで……
……あんたは、そんな生活を何年も続けてた……
……だから、自分の気持ちとか思ったコトを仕舞い込んじゃう癖が付いちゃったのかも知れませんけど……」
二ノは一旦話すのを止めて、カフェオレをグイッと飲んだ
それから、ふぅーっと長めに息を吐き出すと
また、話を続けた
「あの撫で旦那はさ……何にも包み隠さないあんたを愛したいんだと思いますよ
てか、そんなあんたを愛してるんだと思います」
「……」
「あの人ぁ異常な程肩が撫でってるし、笑っちゃう位ヘタレですけど
あんたの全部を受け止める事が出来る人だと思います
……悔しいけど」
二ノは、カップから視線を上げると、僕を見て、にっこりと微笑んだ
「あの人のアンタを想う執念には、この俺ですら負けますから」
「…………二ノ////」
「忘れられないんでも、今でも好きでも良いじゃないですか
あんなに愛した男をコロッと忘れられる程、あんたは器用じゃないんですから」
「…………////」
「あ〜、ほらまた!泣くんじゃないよ!」
二ノはまた溢れ出した僕の涙を見て立ち上がると
台拭きで乱暴に僕の顔を拭いた
「ぃやあんっ!痛い痛いっ!!////」
「お黙りッ!!!」
「ぃやぁ〜〜ん////」
「Σいやぁあああーーーんッ!!!!!/////」
「「えっ?」」
またもや聞き慣れた愛しい叫び声(笑)に二ノと同時に振り向くと
リビングの入り口に仁王立ちしてワナワナ震える翔くんがいた
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