第6章 浮気は男の甲斐性? の巻
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「………ん」
僕は何だか暖かくって、懐かしい匂いに包まれて眼を覚ました
「……あれ?翔くん?」
気が付くと、僕はベッドの上で翔くんに抱きしめられていた
「いつ帰って来たのかな?
…ていうか、僕、何時ベッドに入ったろう?」
僕に抱きついて眠っている翔くんは寝ながら泣いたのか
瞼は腫れてるし、ほっぺはびしょびしょだし、おまけに鼻水が出ている
「もう…翔くんは泣くとすぐ鼻が出ちゃうんだから///」
僕はキツク抱きついた翔くんの腕をなんとか解いて
サイドボードの上のティッシュを取って、翔くんのほっぺと鼻を拭いてあげた
「すぴー…智くん…ごめんね…」
翔くんが寝言を言いながら、また僕に抱きついた
「…もういいよ、翔くん…泣かないで?」
言いながら、じんわり滲む翔くんの目尻の涙を指で拭うと
翔くんが鼻をすすりながら、にんまり笑った
「うふふ…かわいい///」
僕は暫くの間、愛しい旦那様の情けなくて可愛い寝顔を眺めていた
(僕、膝を抱えて泣いてる内に、ふて寝しちゃったんだね
…それで、きっとお家に帰って来た翔くんが、僕をベッドに運んでくれたんだ)
僕は翔くんの暖かい胸の中に顔を埋めた
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