第6章 幸せで溢れた涙
「そろそろお時間です。」
コンコンとドアをノックされ式場スタッフに声を掛けられる。彼女は化粧を直してもらい、チャペルへと向かった。
誓いのキスをすると、旧東卍のメンバーに茶化されお互い顔が真っ赤に染まった。
中には泣いてる奴も居る。
「ドラケン、パーちん。なに泣いてんだよ…!」
「うっせー三ツ谷。マイキーのあんな優しそうにさくらちゃん見る顔見たら泣けんだろーが。大体テメェも泣いてんだろ」
「だってよぉ、あのマイキーがこんな立派な式挙げてんだぜ?有り得ねぇよ」
「有り得ねぇってめでてぇ日になんだコラ、パー。さくらちゃんにも失礼だろうが」
「おめでたいよね!」
「パーちんも一虎も落ち着けや、マイキーとさくらちゃんの晴れ舞台だぞ?」
「なんだスマイリー、パーちんの脳みそは空気で出来てんだぞコラ」
「あ?ヤんのかコラ」
「ぺーやん君もスマイリー君もキレないで下さいよ。新婦側の参列者怖がるじゃないっすか…。なぁ、タケミっち」
「はは…でも全員楽しそうに笑ってる」
「だな。場地さんも見て下さいよ。マイキー君のあんな幸せそうな顔、オレ初めて見たっす」
場地の写真を持った千冬が笑って呟いた。
壇上から見下ろす皆は特服では無くスーツ姿だが、かつての武蔵神社での集会を思い出し、懐かしさに思わず笑みが漏れた。