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cry with happiness ※完結

第6章 幸せで溢れた涙




それから七年後。

「万次郎ー!道場終わった?」

「んー、終わった。汗流して着替えっから待ってて」

「うん」


あの後、時折フラッシュバックする彼女のトラウマに付き合いながら、お互いの家を行き来して何とか高校を卒業する頃には彼女はトラウマを克服する事が出来ていた。
高卒で地方公務員試験に受かり、今でも公務員として働いている。

俺はじいちゃんの跡を継ぎ、道場で子供達に空手を教える事を仕事に選んだ。
また一からじいちゃんに叩き込んで貰い、師範になったと共にじいちゃんは安心したように隠居生活を送っている。

そこから更に生徒をもっと増やす為にどうしたらいいのかと彼女と二人頭を悩ませたが、その甲斐あって今では何とか自分一人の力だけで十分に家族を養えるようになった。
それに若くして結婚し子供が出来た元東卍メンバーが自分の子供を通わせたりしてくれていて、どんどん輪が広がっていき1人で教えるのは限界が来るほど生徒数が増えた。

お互い仕事に少しずつ慣れて来た二十一歳の時、彼女の父の許可を得て晴れて入籍し、母屋を2世帯住宅に改築してじいちゃんと三人での同居生活をスタートした。

髪も金の長髪はやめて、だいぶ短く切り黒のセンターパートにした。
身長は追い付かなかったが、あの時の兄貴に似てきた気がする。

三天を潰し『無敵のマイキー』は暴走族を引退したという事実はあっという間に広がったようで、東卍時代の思い出を胸に完全に平穏な日々を過ごしていた。





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