第3章 瞳に映るは
ホテルを出た後、一旦帰宅し熱いシャワーを浴びながら頭の中を整理した。
決意は揺るがないものとなったが、片付けるのは早い方が良い。
早く彼女の喜ぶ顔が見たかったし、何より安心させてやりたかった。
「…行くか。」
日が沈み始めた頃、俺は二度と袖を通す事が無いと決めた関東卍會の白い特服を羽織り、愛機のバブに跨った。
ツテを辿り、先に梵と接触した。
梵には関東卍會を解散させる事、余計な犠牲を払いたくないからタイマンがしたいと申し出ると、アッサリとそれを了承しタイマンすらせずに解散してくれた。
あちら側も関東卍會を解散させたかったようだった。
少々拍子抜けしたが、気を引き締めて六波羅単代のアジトへ向かった。
俺の顔を見るなり好戦的な目を全員から向けられる。
流石にタイマンにはならず、サウスが劣勢になると幹部の邪魔が入るなど多少苦戦したが、サウス並びに幹部を倒し勝利を収めた。
勝った代わりにチームの解散を求めていた為、関東卍會の傘下に降る訳でもなく、そのまま解散させた。
残るは自分のチームである、関東卍會であった。
ここが一番厄介だと自分でも理解していた。
少しの疲労があったが、勢いを止める事などせず溜まり場のドアを蹴り開けた。
「ボス、なんだよこの暴挙は。」
「なんで傘下に入れねぇで解散させちまうんだ?意味わかんねぇよ!」
「説明しろよ!」
幹部や隊員たちから次々と野次が飛び交う。
俺は真ん中に立つと堂々と宣言した。
「本日をもって関東卍會は解散する。」
一瞬シンと静まり返った。
その後、俺の前に静かに春千夜が立ちはだかった。