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神室町の女探偵【JUDGE EYES】

第1章 【私の備忘録】




「神室町で"金田一将さんが遺体として見つかりました。"」






その知らせを受けた時、私は兄が何か大きな闇に触れてしまったのだと確信した。






兄から送られた最後のメッセージ。






《俺さ、もしかしたらすげぇどデカいネタ掴んだかもしれない。一大ニュースになる程の…》






久々の兄からのメッセージ。
私たちは兄弟だけれど頻繁に連絡を取り合うことはしなかった。
だからこうやってメッセージが来たとき、兄はまだ生きているんだと安心できた。






《どデカいネタ?…それって危険に巻き込まれたりしない話なんだよね…?本当に大丈夫なんだよね?》






しかし、兄はとてもリスクのある記事を書くことを求めていた。
日常のちょっとした便利な情報を載せた記事を書くこともあったが、特に社会の闇や事件、不祥事などのディープな内容を扱うのがメインだと聞いた。
兄曰く、"そっちの方が注目を浴びやすいから"らしい。






そんな兄が神室町で変死体となって発見された。
私の返信はついぞ読まれることもなく…。






大きな記事を求めるが故に虎の尾を踏んでしまった。
それが一体"誰なのか"私には知る由もない。






好奇心は猫をも殺す───、
兄はきっと触れてはいけない闇に触れてしまったのだろう。
触れてはいけない闇に触れて、闇に葬られた。






兄の死因は発見された場所から"ヤクザの抗争に巻き込まれた事によるもの"だと推測された。
しかし、犯人は未だに捕まっていない。




…そんな兄のように両目を抉られた変死体が見つかる事件を後に"モグラ事件"と名付けられることになる ─────。


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