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神室町の女探偵【JUDGE EYES】

第3章 【闇に潜むモグラ】


【金田一探偵事務所】


「こちらコーヒーです。」
「ありがとうございます…」

一礼してお盆を下げる。
そこには千葉が淹れたコーヒーを挟んで対面する香と1人の男性の姿。

「先程はありがとうございました…。」
『いいえ。それよりお財布は見つかりましたか?』
「それが…、」

彼の名前は田辺幹彦。
香が鵜沢を追っている途中で会った酒に酔って財布を無くしたという人だ。

「ピンク通り付近をしばらく探してみたんですが、見つかりませんでした。警察署に落とし物が届いていないか確認してもらったんですけどやはり…」

田辺はため息を吐くと深く項垂れた。

『そうですか…。まぁ、この神室町でお金の入った財布を親切な人が拾ってくれるっていうのは期待できませんからね。一応聞き込みはしてみますが。あまり期待はしないで下さい。』
「はい…。よろしくお願いします…」

香は無くした財布の画像を送ってもらい、田辺の連絡先を聞いた。
その後に何かあれば連絡をよこすと伝えて彼を家へと返した。

『てことで源三くん、お留守番よろしく。良い子にしてるんだよ。』
「はいはい、留守番は俺の十八番ですよ…。」

顔を引き攣らせて笑う千葉を残し香は財布を無くした場所とされているピンク通りへ再び向かう。













『さて…と。聞き込み始めますか。』

香なりに隅から隅まで一通り探してはみたが、やはり財布を見つけることは出来なかった。
そして聞き込みコースへと絞られることになる。


『すみません、この辺でこんな財布を見かけませんでしたか?』
「うーん、見かけてないねぇ。そもそもこの辺で財布落としたらそのままそっくり残ってる方が珍しいんじゃ?」
『まぁそうですよね…。ご協力ありがとうございました。』



『すみません、この辺でこんな財布を見かけませんでしたか?』
「見てないわ。ごめんなさいね。」
『いいえ、ご協力ありがとうございます。』



『すみません、この辺でこんな財布を見かけませんでしたか?』
「いーや?見てないね。それよりお姉さん、うちで働かない?結構儲かるよ!」
『結構です。ご協力ありがとうございました。』
「えー!何だ、残念。」


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