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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第45章 もう一度の初恋を《宇髄天元》








「ーーー何時に終わんの」

「えっ…」

腕を掴まれて真っ直ぐな目で聞かれた。
2メートル近くある彼に見下ろされて、なかなか迫力があって思わず少しよろめいた。

先ほど診察と治療を受けた男子高校生は保護者が迎えに来てくれたらしい。そばには誰もいない。
電子カルテのノートパソコンを開いたままだったので、個人情報保護のために慌ててそれを閉じる。
待合室では他の患者さんもいて、何人かの視線を感じて焦ってしまった。

「ーーて、定時は5時半ですけどたぶん6時半には終わります」

慌ててその手を振り解いて早急に答える。
ドクドクと心臓がやかましかった。

「んじゃ待ってるから」

「え…っ、え、先生っ、ちょ、」
 
慌てて引き留めようとしたが、宇髄先生は
スタスタと出口に向かって行ってしまった。
呆然と立ち尽くしたが、まだ仕事はたくさん残っている。バクバクと震える心臓をどうにか落ち着かせながら、ノートパソコンを開いた。



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