満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】
第35章 初夜のあとのお薬※《宇髄天元》
障子越しの日の光は今日は晴れだと告げている。随分と朝も冷え込んできて、波奈は布団を少し深めに被って、横の大男の胸に顔を埋めた。
嘘みたいな幸せな朝だと、毎朝波奈は少し怖くなる。
しかし今朝はどうだ。昨夜、彼の1番に近いところまで近づいて、ひとつになって。2人の熱がひとつに溶けて行って。
優しく真綿に包まれるように抱かれたのだ。失う怖さを上回って、幸福感が波奈を包む。
もぞりと彼が動いて、右手で波奈の髪を解くように撫でられた。
「身体は辛くないか」
「…ん、はい…。平気、です」
そうか、と彼はいらえて起き上がる。
「お前はまだ休んどけ。な」
釣られて波奈も起きあがろうとすると、宇髄が波奈の肩を軽く押して布団に引き戻された。
「大丈夫ですよ?朝ごはん、作りますね」
「ん…、や、今からすぐに出る。だからゆっくりしとけ」
命令、と言いながら優しく微笑まれては、波奈は頬を染めて黙ってしまう。この人はいつだって奇跡のように顔が良い。