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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第14章 天元様は呼ばれたい※《宇髄天元》



くるっとこちらを向けさせて、宇髄の手で波奈のほっぺを挟むように、むにゅっと口をとがらせた。

目が合う2人。
波奈はその端正な宇髄の顔にとろんとした目になる。

「……て、てんげんさま…」

波奈は観念したように、俯いて、小さな声で呟いた。

ら、宇髄は心臓をグンっと掴まれたように、強い衝撃が走る。
波奈の自分を呼ぶ天元様という声を聞いた瞬間、
さきほどの逢瀬の波奈を脳裏にふと思い出してしまった。
波奈の両手首を縛られた卑猥な波奈が、顔を真っ赤に染め、涙をぽろぽろと流し、自分の腰を揺らしながら、宇髄を必死に求める、波奈の可愛すぎる姿が鮮明に浮かんだ。

「………」

黙り込んでる宇髄を不思議に思い、波奈はチラッと宇髄を見る。

「…え?!顔、すっごく赤いですよ…?!」


お前もな!と言いたいところだが、
宇髄は片手で自分の顔を覆う。
波奈につられて赤く染めてしまった頬を、波奈に見せないように。


「…どうしたんですか…?」

天元様と聞いて照れてしまった、自分らしくない宇髄を知ってか知らずか、おろおろと心配そうな波奈。

「なっ…んでもねえっ」

「…?」

「…やっぱもうお前は名前を呼ぶな…」

「ええっ?!でも、さっきは…」

「うるへー!抱かれるときだけ天元様と呼べ!」

「意味わかんないですそれ!」


ギャーギャー騒ぐ音柱.宇髄天元は、たまにこうやって子どものように、よくわからないことを言う。


普段「天元様」と呼ばれたら敵わない。
心臓がもたない。
どうしちまったんだこの俺様は…!

ぐぬぬ…

と悔しそうな顔をした。
波奈は相変わらずキョトンとして、
宇髄を見つめた。



天元様は呼ばれたい

おしまい♡





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