第11章 東京卍會
『千冬ー、起きて。なんか…マイキーくん達が迎えに来てるよ?』
なかなか起きない千冬に、マイキーくんが来ていることを伝えてみるとピクっと身体を反応させては眠そうに目を開けた。
千冬「えっ…、マイキー君…?」
千冬は身体をのっそりと起こせば目を擦り、こちらを向いた。
『そう、もう玄関前まで来てるよ。とりあえず着替えてくれる?着替えるだけでいいから…!』
私は昨日千冬が着てた服を本人に手渡す。
すると千冬は服を受け取り、まだ眠そうにしながらその場で着ていたマイキーくんのパジャマを脱ぎ出す。
『!あ、えっと、着替え終わったらリビングに来てね…!』
いきなり脱ぎ出す千冬に私はそれだけを告げればリビングへと戻った。
千冬が着替え終わるまで私は自分の洗濯物を浴室に干していき、やることを一つずつ終わらせていく。
そのうちに千冬は着替え終わったのか寝室から欠伸をしながら出てきた。
『おはよう、千冬。よく眠れた?』
千冬「おう、すげーぐっすりだった」
『千冬結局ベッドで寝たんだね。ちょっと狭かったでしょ』
私は千冬にスープを入れてあげながら、一緒に寝ていたことを千冬に伝えれば、千冬は顔を真っ赤にしながら下を向いてしまった。
千冬「あっ……いや……」
……何、反応が初々しくて可愛いんだけど…!?
でもお年頃だから触れないでおこう…可愛いけど。
『まぁよく眠れたなら良かったけどね』
千冬「…い…嫌、だったか…?」
不安そうにこちらを見てくる千冬。
…なんだろ、めちゃくちゃ母性本能くすぐる。
勝手に心の中で悶えるも平然を保つ。
『嫌じゃないよ?千冬がいてくれたから私もぐっすり眠れたし、ありがとうね?』
そう伝えれば、千冬は安心したような、嬉しそうな顔をした。
そんな幸せ空間をぶち壊すかのように、再び玄関のドアを叩かれる。