第23章 幸せの青い鳥
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「………何してんの?」
鈴の音を鳴らしたその人は
その場にいた全員が、ふざけているフリをしながら、無事に帰るコトを祈っていた
その人だった
「智くんっ!!」
「大野君っ!!」
「おーのくん!!」
三人で同時に叫ぶ
だけど
歓喜の叫びを上げる俺らを余所に
智くんはキョトンとした顔をすると、可愛く小首を傾げた
「……翔くん…その顔……どしたの?」
(Σはっ!!)←嬉しさのあまりパンダになっていたコトを忘れていた
「Σちっ…違うんだっ!俺は嫌だって言ったのに無理矢理…」
「……かわいぃ♡」
……え゙?
「でしょでしょ♪」
「ひゃひゃひゃひゃっ!!///」
途端に騒ぎ出す2人
俺は、バカ笑いをするニノに文句を言おうとした
「だからニノ笑いすっ…」
その時
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智くんが
愛しい君が
俺の唇を……そっと、その唇で塞いだ
「///さ、智くん?」
俺にキスをくれた君が
花が舞い散る様な眩しい笑顔で言う
「…ただいま、翔くん」
「…お帰り、智くん」
「いよっ!お二人さんっ!!」
「しーだよニノ、しぃー!なまラブシーン、みれなくなっちゃうよ!!」
「しないわっっ!!////」
「あははははっ!!///」
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──ねぇ、智くん
君が帰ってきたら
聞きたい事、いっぱいあったんだけど
…必要ないね
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だって、君が笑ってる
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楽しそうに
幸せそうに
笑っているから…
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俺はここで、君を見つけた
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退屈な毎日が
ありふれた日常が
君が居るだけで華やぐ
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だから…これから先も
ずっと、ずっと
俺と一緒に、笑っていて?
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愛しい君……
……俺の……
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……幸せの、青い鳥。
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—fin—
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