第22章 さよなら。
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黙って僕の話を聞いていた彼が深いため息をついた
「…お前を愛してる…
…例えそれが他人から見て歪んでいようと…俺には真っ直ぐな想いだった」
「…潤 くん僕も…潤 くんのこと、愛してたよ」
潤 くんは痛い様な顔で笑った
「愛してた…か」
そう言って僕の手を握り、大きく息をついたその顔には
吹っ切れた様な笑顔があった
(潤 くん…愛してたよ
…本当に…愛してた)
「…最後に…キスしてもいいか?」
「………うん」
潤 くんが僕の顎を軽く上げる
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──ちゅっ…
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(あぁ、あの時と同じだね
僕たちの始まりのキス…)
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そして…終わりのキス…
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さよなら……
大好きだった人……
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さよなら……
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