第1章 出逢い
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更に
相葉くんから聞き出した情報によれば
相葉くんのバーには、大野くんを目当てにくる客は、俺以外にも少なからず居たらしい
まあ、あんだけ超絶可愛くて綺麗な大野くんだから、当然っちゃ当然だったが
大野くんは誘われる度に、相葉くん曰く
『天使の様な笑顔で、魔王の如く冷たく断ってた』
…らしい
(てか、俺は見てるだけでいいんだ…
そもそも、人様の恋人(愛人?)だし…
…要するに、大野くんは美しい絵画なんだ!
だから、話掛けたりしないし、況してや触れたりなんか出来る訳が…)
──ガランガランッ
「あーばちゃんっ来ちゃったぁ♡」
一人悶々と物思いに耽っていたら
勢いよく扉が開いて、真赤な顔の大野くんが半ば倒れこみつつ入ってきた
「おーのくん?どうしたの、そんなに酔って…」
相葉くんが目を丸くして言う
「んふぅ、ちょおっと、呑み過ぎちゃったぁ///」
「ちょっとって顔じゃないよ…」
「ちょお〜っとだもぉん///」
…ああ、君は…酔うと激烈可愛くなるんだね…
なんて馬鹿な事を考えていたら、君がフラフラ歩いてきて、俺の座っている椅子に躓いた
「Σあっ!!」
俺は思わず君を抱き止めた
フワリと甘い香が漂い
君がノロノロと顔を上げる
その目の前、鼻先が触れそうな程近くに俺の顔が…
…間近で見た君の潤んだ瞳に映る、俺の間抜けた顔があった
「んん〜…えっとぉ……どなた?」
大野くんが、真っ赤な顔を傾げる
「どなた、じゃないでしょ…もう、今日は帰りな」
相葉くんはそう言うと、俺の顔をチラッと見て
「そこの、どなたさんが送ってくれるから♪」
と言って、何故か両目でウインク(?)した
(相葉くん、ウインク…出来ないならすんなよ…てか、何言っちゃってくれちゃってんだよ(汗))
なんて思いつつ
結局俺は、何だかやたらに楽しそうな相葉くんに、店から押し出されてしまった
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…酔って、ご機嫌な大野くんと一緒に…
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