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—L'Oiseau Bleu— 青い鳥

第15章 始まりの過去1


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(落ち着いて…僕の方が大人なんだから…経験だって僕の方が豊富だし…

…多分(汗))


僕は、逃げ出した美術室に連れ戻されて

また放課後の教室に、松本くんと二人きりになってしまっていた


グランドからは、運動部の威勢のいい声が聞こえている


「…智」


Σびくっ!!


「…だから、そんな露骨に怯えんなよ…結構傷つくぞ」


彼は大きなため息をついた


「何もしないから…約束する」

「…ホントに?」


僕は彼の顔をしたから覗きこんで、様子を伺う


「…はあ、それさ、本気でわざとじゃないの?」

「それ?…どれ?」


彼はまた大きなため息


「いや、解ったわ…俺が悪かった」

「…?」


訳が解らず、首を傾げる


「…天然お色気先生ってあだ名は、伊達じゃないわけだ」


そう言って、またまた、ため息

なんかワカンナイけど、取り敢えず、襲われる心配は無いみたい


「…本気だよ」


松本くんが真剣な顔をして言う


「俺、智の事、本気だから…それだけは判って」

「……うん」


彼の眼差しが、嘘じゃないって言ってる


僕は胸がドキドキした

さっきとは違うドキドキ……なんだ、これ?


「それだけ言いたかったんだ…怖がらせてごめん…色見本、借りてくよ」

「………うん」


(なんだ、いい子じゃん)


って、思ってたのに、帰り際にまた


ちゅっ…


「!!!!!」

「病みつきになりそう…御馳走さま」

「ぅうっ嘘つきッ!ばかエロ潤 !!」


彼は後ろ手をヒラヒラさせて教室を出て行った


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