第13章 君のために出来ること
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「3DS買ってくれたら教えたげる」
「はぃ?!」
家の近くの喫茶店で
俺は、例の話をニノにしていた
が、しかし
思った通り、ニノはただで口を割る気がないらしく
早速交換条件を出してきた
「後ソフトも。子犬の育成ゲーム欲しかったんだよね」
ズズッとわざとらしく音を立ててオレンジジュースを飲みながらニノが言う
「…マジで?(汗)」
「マジで♪」
ストローを咥えたまま上目遣いに俺を見て二ヤリと笑うニノ
(…相葉君、あんたの恋人鬼ですか?)
だが、背に腹は変えられない
この前ベッドを買ったばっかで懐は寂しかったけど
今の俺には、明日の晩飯代よりも、智くんのコトの方が、百億倍大事なのだ!!(←そんな金欠なの?)
「…買うって約束したら教えてくれるのか?」
俺はニノの様子を伺いながら、コーヒーを啜った
「まさか!」
ニノは子犬みたいに可愛く笑うと
「勿論、買ってからだよ♡」
って言った
(…相葉君、あんたの恋人…鬼だね(泣))
ガクッと撫で肩を落とす俺を見て、ニノがニコニコしながら言う
「んで?買ってくれんの?くれないの?
俺は別にどっちだって良いんだからさ♪」
「……買うよ……買いますよ……だから、教えてくれ(泣)」
「あそ。じゃあ、移動しますか」
「あ?……移動?」
「買ってくれんだろ?ゲーム♪」
ニノは、にまりと笑って立ち上がると、伝票を手に取った
「行くぜ、秋葉原!…お支払い宜しく♡」
ニノはご機嫌でそう言うと、伝票を俺の手に握らせて
サッサと駅の方へ歩き出した
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