第1章 出逢い
.
こうして
君と運命の出逢いを果たした俺は
初めて君に出逢ってから約一年もの間
君の事が気になって
君に逢いたくて…
毎日の様に、このバーに通っていると言う訳だったのだ
.
.
—カラン、カラン
渇いたベルの音が響き、俺は重たい扉を開けた
「ようこそいらっしゃいませ、櫻井様」
「よっ!相葉くん毎度!」
約一年ほぼ毎日通っている俺はすっかり常連客だ
“あーばちゃん”こと、相葉雅紀くんとは年も近い事もあり
妙に気が合って、すっかり打ち解けて
今では、たまに会って遊んだり、お茶したりする程仲良くなっていた
彼は、数年前オーナーに気に入られて一人でこのバーを任されたらしい
年は俺の一つ下で
明るく人懐っこい性格で、恋人の“ニノ”こと、二宮和也くん(ミラクルラブリーな二十七歳←相葉談)と同棲中
「………」
俺は、入ってすぐにカウンターの一番奥…君の指定席に目をやった
ソレを見て、相葉くんが
「今日もいらしてませんよ」
なんて言って、意味あり気な笑みを浮かべてながらおしぼりを差し出た
「うおほんっ!」
俺は、大袈裟な咳払いと共におしぼりを相葉君から剥ぎ取った
(……………ちぇ、来てないんだ///)
微かな期待は、呆気なく打ち砕かれる
きっと今、俺の撫で肩が可哀想なくらい下がっているに違いない
(解ってるさ…居るほうが珍しいんだからさ…)
君は精々、月に1・2度しか顔を出さないし、丸一ヵ月以上会えなかった事もあった
それでも俺は、その僅かな不確かな逢瀬の為にあしげく通っているという訳だ
.