第6章 初デート
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この一週間
何をどうして過ごしたのか思い出せない
それ程までに
毎日がふわふわ夢の様で
君を想って一人にやける毎日…
…変態か、俺は。
周りから何か良い事あったのかと訊ねられ
いや別に、なんて顔中の筋肉を緩ませて答えては、気色悪いと言われつつも
遂に…
遂に来ました…
やっと明日が待ちに待ったその日…
…大野くんとの約束の日
…なんだけど、
「全っ然眠れねぇ……!」
(コーフンして眠れないとか…俺は遠足前日の小学生か!)
まあ、自分で自分に悪態ついても仕方がない
……が、
「ああ〜ねぇ〜むれねぇ〜〜っ」
寝るに寝られず狭い布団の中を転げ回る
(なんだよ〜寝れねぇよ〜…明日の為にせっかく仕事だって早く終わらせて相葉くんトコにも寄らずに帰って来たって云うのに…)
大野くん……早く会いたいなぁ……
(明日ちゃんと来てくれるかな………はっ!)
「…まさか」
(明日になって急に
“やっぱ行かない♡”
とか、あの、マキシマム可愛い笑顔で言われたらどうしよう!)
…いや、それ以前に、忘れてたりして…
「ど…どうしよう…そ、そうだ、やっぱりここは確認の電話を…」
時計を見る
11時を少し過ぎたくらい
(まだそんなに遅くないし…ギリで電話してOKな時間かな?)
実は
あれから毎日確認の電話をしようとしていたたのだが
極度の緊張で指が言うことをきかず出来ず仕舞い
…で、今も
(ゆっ…指がっ…緊張で指がッッ!!!)
prurururu...
「Σどああああっ?!」
プルプル震える指と格闘してたら、持ってた携帯が震えだした
「びっ…くりしたぁ(汗)」
驚いて投げてしまった携帯を拾い上げると
“大野智”の文字
「え゙ぇ゙ーーーっ!!」
再び携帯を投げる俺(汗)
尚も着信を知らせる携帯電話
(おっ……落ち着け、俺ッ!!)
何だか違うボタンを押してしまいそうで
俺は左手で右手の人差し指を掴むと、慎重に通話のボタンを押した
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