第2章 マンション
.
お陰で焦った俺は、未だ十分咀嚼出来てない飯を一気に飲み下してしまった
「Σゲホゲホっ!!///」
「あ、大丈夫?」
差し出されたお茶を慌てて流し込む
「ごほっ…いや、だっ大丈夫、大丈夫です!」
「そう?でも僕、口にイッパイ頬張って食べる人、好き♡」
(すすすす好きって…おっしゃいました?!)
深い意味なんて無いのはわかってる…でも
「…………うふ///」(←怪しいから)
にへらにへらにやける俺を不思議そうに見てた君が、両手の甲にその可愛い小さな顎を乗せて
「…ホント、面白い人だねぇ」
と言って首を傾げた
(Σのあ"あ"っっ!!もう大野くんったら一々可愛過ぎるよッ!!!///)
俺は、一々可愛い大野くんに一々過剰反応しながらご馳走を平らげた
.
.
「ご馳走のお礼がしたいから、今度奢らせてください」
俺はご馳走を平らげた後
君とまた会う口実欲しさに、そう切り出した
(お礼のそのまたお礼って、ご近所スパイラルみたいだな…
いや、それより、魔王が降臨して、冷たく断られたら…どうしよう?(汗))
「うん、いいよ」
「…そうですよね…やっぱ……え?」
「来週の土曜日は?仕事お休み?」
「ええ、はい…」
「んーと、じゃあ、11時とかは?〇〇駅前!」
「え?あっはいっ!了解です!!」
(なんてこった……約束出来ちゃったよ……!!)
櫻井翔……我ながら……グッジョブッ!!
.
.
.
「じやあ、また来週!大野くん!!」
「うん、また来週ね、櫻井くん」
俺は手がモゲルんじゃないかって位の勢いで手を振ると、スキップしながら家路についた
アラサー野郎がスキップ…傍から見たら気色悪いかもだけど…
…でもそんな事
.
幸せいっぱい
胸いっぱい
お腹いっぱいの俺には
何の気にもならなかった
.
.