第9章 弱虫 × 強虫
しばらくはしゃいだ俺らは
行きつけのお店に向かった
ひっそりたたずむ店はカフェ
大きくもなければ狭くもない
ただ、常連さんが多い
「あーも、川辺うざい。」
「ニノくんそう言ってさあ、嬉しいくせに」
「だまれ、しばきますよ」
「俺、SM趣味じゃないんだけど…」
「大野くん、はさ」
大野の隣に並んで歩いてた松本が
心配そうに口を開いた。
「ん?」と軽く返事すると、
「無理しなくていいからね」
松本は笑うでもなく、
真剣な顔でそう大野に言った
えっと、
返答に困ってると松本は肩をポンポンと叩いた
「ニノが俺らに会わせたってことは、
たぶんだけど、大野くんのこと
助けてやって欲しいってことだと思うから
だから無理しなくていいからね」
ふっとこぼれた涙が、
気を張ってたことに気づかせる
強がり。
松本くんはそう笑って優しく頭を撫でた。