【MARVEL】This is my selfishness
第5章 5th
バッキーは有名人だとしてもきっと自分からそれをひけらかしたりしないだろう。何となくそんな感じがする。
軽口を言ったりもするけど、内緒話とかは口が硬そうだし。
それにしても2人の関係は素敵だったな。
あんな風に言い合える人がいるというのは、それだけで1つの宝と言っても良いと思う。
共通の友人がいてって言ってたよね。その友人さんはどんな人なんだろう。
きっと2人と同じように優しくて暖かい人なんだろうな。
「ただの隣人じゃなかったのか?」
ミアと別れて、2人になるとサムが開口一番にそう言った。
「…隣人で友人だ」
つい最近そう言われた。
隣人でもあり友人だと。友人だということは、もし住む場所が隣じゃなくなったとしても他人にはならない。昇格したような気分だ。
繋がりが強くなったような気がして、少し浮かれていたかもしれない。
─────サムの前でやってしまったな…
Prrr....
サムの方から着信音が聴こえた。
「…分かった。すぐ行く」
その声音でわかる。仕事が入ったんだろう。
サムは長い溜息を吐いて、こちらを見る。
「せっかくのオフだったのにな。来れるか?」
「ああ」
俺に出来ることなら協力する。
それが少しでも俺に出来る償いだと信じて。
奪った命や人生を戻せる訳では無い。
奪われた俺の人生も含めて。
だが、そうだとしても傍観者でいるつもりはない。
傍観者でいていいはずない……
空を見上げて、深く息を吐いた───────
To be continued...