【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
バッキーとピザを頼んでだらだらして過ごしたあの日から数日後。
目を覚ますと、いつもと違ってなんだか外が騒がしい気がした。
騒音という程では無いから気にしなくてもいいか、と思ったところで思い出す。
そういえば、確か今日がオートロックの取り付け日じゃなかったっけ?
顔を洗って歯磨きをして、軽く身なりを整えて人前に出れる程度に仕上げる。メイク……まではいいかな。
玄関の扉を開けてそっと下を見てみると、やっぱり業者の人がいて、大家のダニエルさんもいた。
扉の音に気づいたようで、ダニエルさんが見上げて挨拶をくれる。
「おはよ!ミアちゃん!」
『おはようございます、ダニエルさん』
挨拶を返し、階段を降りてダニエルさんたちの元へ行く。
『今日でしたね、オートロック』
「そ〜!いやぁ、遅くなって申し訳ない!」
『いやいや、すごく早い対応だと思います。そもそもオートロックを取り付けようってなった時もバッキーが電話してからすぐに来てくれたじゃないですか』
あの時はものの数十分でここまで来てくれて、そのあともすぐに屋上に繋がる外階段の扉の鍵を用意してくれたし、こうやってオートロックの取り付け工事だってすぐに手配してくれた。
「あの時はまじでじいちゃんありえね〜!!!って思ったからね。あっ、そうだ。おれ、この取り付け工事が終わるまでここにいるからなんかあったら言ってね」
『そうなんですか?わかりました……ってすぐ終わらないですよね?管理人室にいるんですか?』
「それがさあ、管理人室だれも使ってないからホコリっぽくて。水とかガスは通ってんだけどハウスダストアレルギーがあるおれにはちょっとね〜」
どうやら中を既に見てみたようで、そう言いながらダニエルさんは鼻をズビッと鳴らした。可哀想に…。
『あ、だったらランドリー室はどうですか?あそこならすぐエントランスに出入りできるし、コンセントもあるからわたし湯沸かし器持って来ますよ。コーヒーとか紅茶も持ってくるんで、ぜひお茶してください』
今日は午後から仕事だから、さすがにわたしの部屋に招くことは出来ない。洗い物とか仕事の準備でおもてなしする余裕が無い。