【MARVEL】This is my selfishness
第12章 10th
それで浮かれてたんだと思う、わたしは。
何が『キス、される……?』よ!!!自惚れにも程がある!!
自分の気持ちを自覚したからって、相手にもその気持ちを適用しようとしていた。
わたしが好きだからバッキーだってわたしのこと好きだなんて。
わがままじゃない、これは。自己中心的と言うのだ。
いやでもバッキーだって思わせぶりなところ、あるじゃない?
いつも距離が近いし、スキンシップ多いし、わたしが面倒なことになってもお世話してくれるし、大体肯定してくれるし…?
……とはいえ、それがただ単にバッキーが親切という可能性が全く捨てきれないし、むしろ絶対にそうだという確信めいたものもある。謎に。
あ゙あ゙ぁ〜〜〜〜〜、世の中の人たちはどうやって人からの厚意ではなく好意を区別つけてるんだろう……!
顔を両手で覆ったところで、バッキーは通話が終わったらしく戻ってきた。
「…それで、、あー…」
さっきまでのことを考えているのか、どう言葉を繋げたらいいか分からない、というような顔をして彼が頭を搔く。
いつも余裕そうなバッキーではなかなか見れない表情だ。
『わたし、部屋に戻るね』
わたしが泣いたことでお邪魔させてもらっていたから、泣き止んだ今、ちゃんと話をした今は居座る理由がない。
と、バッキーの部屋に上がることになったことを思い出すと同時にわたしがエントランスに入った時、バッキーがランドリー室から出てきたことも思い出した。
『ねえ、洗濯物…』
「ああ、!そうだな、忘れてた」
取りに行かなきゃな、と玄関へ向かう彼の後ろをついて行き、一緒に部屋を出る。
わたしは自分の部屋へ。
バッキーは1階のランドリー室へ。
そうだ、今日は月曜日。
柵から顔を出して、階段を下りる彼へ声を掛ける。
『月曜日のお茶会、来る?』
「ああ。君さえ良ければ」
目尻にシワを作って優しく微笑んでくれる。
それだけでわたしの胸は高鳴るけれど、今はまだ、このままで─────