第58章 情交 ※
「大丈夫、意外と入る――――――………。」
ナナの密口に宛がって上下にこすると、にちゃにちゃと愛液が混ざる音が響く。その音と花芯を擦られる快感に、ナナが善がって声を上げる。
「あっ、はぁ………、ぅあ…っ………!」
「俺を受け入れてくれ――――――ナナ。」
懇願めいた顔でナナを見つめて諭すと、ナナはごくりと生唾を飲んで静かに答えた。
「――――は、い…………。」
「―――――入るよ。」
そこに力を込めて腰を進めると、ずぶ、ずぶ、と少しずつナナの身体を裂くようにして埋まっていく。
「―――――っひ、っあぁ―――――……はっ、あぁっ…………!」
ナナは荒い呼吸を繰り返しながら、目じりに涙を溜めてなんとか受け入れようとしてくれている。その姿がまた健気で愛おしい。
「――――悪いが、まだ半分しか入ってない。」
「―――――っ………!」
俺の言葉に血の気が引いたように怯える顔を見せる。が、何かを掃うように目を閉じて小さく頭を横に数回振ると、両手を俺に向かって広げて、腹を括ったように虚勢の笑顔を見せた。
「――――大丈夫です。ください、全部………。」
「――――やめてもいいよ。無理させたくはない。」
こんなことには慣れていて、過去途中でやめたり、相手が失神することもしばしばあった。
愛する女性だからこそ無理はしたくない。これから少しずつ受け入れて貰えればそれもまた楽しみの一つだと割り切ろうと思った。
のだが。
ナナは俺に向かって広げた両手を俺の頬に添えて顔を包み込み、その潤んだ濃紺の瞳で俺を捕らえて甘い声で囁いた。