第53章 惜別 ※
「………っ……、愛してる……リヴァイ、さ………。」
「あぁ、俺もだ………!」
ナナの唇を食うように齧りつくと、血の味が滲んだ。
激しく抽送するその部分は、ナナの愛液が糸をひき、突き入れる度に俺にまとわりつく。
ナナを責める強さも速度も上げていく。
「――――もう、終わりにするんだろ?なら最後に盛大にイけよ……っ……。」
「……うっ、はあっ、ッあ……、や、あぁっ、んっ……だめ、そこ…っ…やだ……っ……!」
「嫌じゃねぇだろ。全部見せろよ。―――――乱れて、善がって、イき狂って、堕ちろ――――――全部、覚えててやる。」
「ぁあっ、――――んっ、……っはぁ、…や、あぁ……っ―――――――。」
何かが弾けたように身体を一瞬硬直させ、ナナはそのままぐったりとソファに倒れ込み、肩で息を弾ませる。
あと1時間もせず、ナナとの時間が終わる。とてつもない焦燥感だ。
エルヴィンに攫われる覚悟ができていたはずなのに、いざその時が迫ると怖くてたまらない。
ナナをうつ伏せにしてソファに押し付け、腰だけを引き上げてナナにとって屈辱的ともいえるその恰好で腰を打ち続ける。
粘着質な音とむせ返るような性の匂いが、焦燥感と相まって俺をおかしくしていく。
あの日に我慢したあの願望を、もう最後なら――――――叶えてしまおうか。
そしてナナに、軽蔑されてしまえばいい。
「―――――このまま――――――お前の中に出したら、お前はどうなっちまうんだろうな――――――………?」
「―――――っ………や、だめ………。」
悪魔のように甘く耳元で囁くと、声もあげられずガクガクと揺さぶられていたナナが顔をこちらに向けて小さく身震いし、首を横に振った。
強くその身体を押さえつけて、抽送を激しくしていく。