第46章 潜思
体格差と力の差がありすぎる。
どんなに身を捩っても、胸を押し返しても、顔を背けても捕われる。
いつもの温厚で優しいエルヴィン団長とは思えないその欲情した声色と間近で見るその蒼と―――――――リヴァイさんへの罪悪感が快感に拍車をかけ、意識が飛びそうになる。
舌を絡めとられ絡み合う水音と共に、官能的な息遣いが聞こえる。
やがて満足したのか、ようやく唇が解放されたが、もう体に力が入らない。
息もまばらで、思考が遮られる。
「―――――はっ………ぁ、ッは……………っ………。」
「――――――なるほど、リヴァイがハマるわけだ――――――。」
エルヴィン団長は妖艶に自らの唇を舌でペロリと舐め、ニヤリと笑う。
「――――――続きは、君の心も手に入れてからにしよう。実に、楽しみだな。」
私の中に、その甘い甘い中毒性のある毒が仕込まれた瞬間。
そして未だ見た事のなかったエルヴィン団長の一面への興味。触るなと、踏み込むなと言われるものにほどどうして人は惹かれるのだろう。
リヴァイさんを確かに愛しているのに、身体が、心が強制的に持って行かれそうになる。
この強すぎる引力に私はどこまで耐えられるのだろうかと不安が沸き起こる。
けれど今はもう、何も考えられない――――――