第44章 The Gift for you
部屋の窓から月を眺める私に向けて、リンファがポツリと質問をした。
「――――――怖い?」
「……少し。でも、死なない。そして死なせない。そのために何ができるか―――――精一杯考えて、やってきたつもりだから――――――。それにさっきのリンファの言葉で、腹もくくれた!」
私は小さく笑った。リンファも、小さく笑った。
「――――――宜しく、戦友。」
「――――――こちらこそ。」
戦友――――――その言葉が嬉しい。
今まではただ待つだけだった。アルルの最期すら見届けることもできなくて。
どんなに悲惨でも、地獄のような景色でも、みんなと一緒なら大丈夫だとそう思える。
――――――遺書は書かない。絶対に死なない。
不安と恐怖と好奇と期待と、様々な感情をぐるぐると行き来させながら、私は眠りについた。