第43章 The Gifts 4 Levi ※
年内に急遽実施されることになった壁外調査の準備は、あれよあれよという間に進んでいった。エルヴィン団長直々に、出陣メンバーが集められ、作戦の目的や計画が細かく周知される。
私は何度も何度も資料を読み込み、頭の中に叩き込んでは、どの隊でどんな怪我人が出たら私はどう動くべきなのか―――――――念入りに考えては書き記していた。
その合間に、隠れてある場所に通う。
どうしてもやりたいことがあったから。
「―――――うん、いいんじゃないか。これならきっと―――――喜ぶと思うよ。」
母よりも少し年上の、ふくよかで温かな雰囲気のおばさまが私に合格点をくれた。
「本当ですか……っ……!」
「最初は不器用すぎてどうしようかと思ったけどね。」
ケラケラと笑われ、少し恥ずかしい。でも、なんとか間に合って良かった。
―――――喜んで、くれるだろうか。
「本当に、ありがとうございます……!」
私は大きく頭を下げた。
「いいんだよ。力になれて、あたしも嬉しかった。―――――頑張んな!」
「はいっ!!……当日また少しこの場所をお借りしますが……綺麗に片付けておきますので、宜しくお願いします……!」
「ああ、素敵な日になるといいね。」
「はい……!」
訓練に団長補佐の執務に、毎日あることを練習して――――――身体は疲れているはずなのに、不思議と全く疲れを感じない。
私は軽い足取りで部屋に戻った。