第41章 心奥 ※
12月。
時折雪が舞い落ちる、底冷えするような日々が続いていた。
毎年恒例の新兵の受け入れに慌ただしく駆けまわっていて、毎日があっという間に過ぎ去っていく。
そんな中、私がエレンに近況を知らせ合うために出した手紙に返事が届いた。
そこには、エレンもミカサもアルミンも、来年から訓練兵になると記されていた。
目の前でカルラさんを、母を失ったその悲しみを、巨人をこの世から滅ぼすための原動力にしている。頼もしい子達だ。
もうしばらくすれば、また会えるかもしれないと期待に胸を膨らませた。
それから、王都から戻って1ヶ月と少しが過ぎたけれど、リヴァイさんとは一度も二人きりで話していない。
どちらから声をかけることもなく、ただなんとなく忙しさにかまけて私は向き合う事を避けてきた。
本当は会いたい。
抱きしめて、触れて、大好きだと伝えたい。
でも、以前と同じように振る舞える自信がなくてここまできてしまった。
周囲からも、私が髪に結っていたクラバットをしなくなったこと、2人で話しているところを見かけなくなったからか、別れたらしいと噂が立っている。
エミリーがある日とても言いづらそうに、
「リヴァイ兵長と、別れてしまったのですか……?」
と聞いてきたが、私は曖昧に微笑んで誤魔化した。