• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第41章 心奥 ※




12月。

時折雪が舞い落ちる、底冷えするような日々が続いていた。

毎年恒例の新兵の受け入れに慌ただしく駆けまわっていて、毎日があっという間に過ぎ去っていく。



そんな中、私がエレンに近況を知らせ合うために出した手紙に返事が届いた。

そこには、エレンもミカサもアルミンも、来年から訓練兵になると記されていた。

目の前でカルラさんを、母を失ったその悲しみを、巨人をこの世から滅ぼすための原動力にしている。頼もしい子達だ。

もうしばらくすれば、また会えるかもしれないと期待に胸を膨らませた。



それから、王都から戻って1ヶ月と少しが過ぎたけれど、リヴァイさんとは一度も二人きりで話していない。

どちらから声をかけることもなく、ただなんとなく忙しさにかまけて私は向き合う事を避けてきた。

本当は会いたい。

抱きしめて、触れて、大好きだと伝えたい。

でも、以前と同じように振る舞える自信がなくてここまできてしまった。



周囲からも、私が髪に結っていたクラバットをしなくなったこと、2人で話しているところを見かけなくなったからか、別れたらしいと噂が立っている。

エミリーがある日とても言いづらそうに、



「リヴァイ兵長と、別れてしまったのですか……?」



と聞いてきたが、私は曖昧に微笑んで誤魔化した。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp