• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第35章 疫病




ウォール・マリア奪還計画を終えて―――――――

その死亡者は25万人に上っていた。

王都にはまだそうでもないものの、ウォール・ローゼ内には奥地まで壁外からの異臭が届いていると噂が立っている。

これを、政の中心の人物たちはどんな想いで聞いているのだろうか―――――――



ロイはしばらく病院経営から離れることになった。父の判断だった。

ロイは嫌がることもなく、どこか安堵したような、解放されたとでも言うような、そんな表情だった。

父の体調のこともあり、今は私が病院経営を少し手伝っている。

父の秘書のような役割だ。






「姉さん、今日は遅いの?」



私が病院に赴こうとした朝、ロイが私の服の裾を少し引っ張って甘えるように呟いた。



「そうね、少し遅くなるかもしれない。奪還計画の医師派遣の事後処理も進めないといけないし………。」

「そう………。」

「―――――お嬢様、遅くなっても夕食はこちらで召し上がりますか?」

「うん、そうする。」

「では、お嬢様のお好きなシチューを作っておきましょう。ロイ様も手伝ってくださいね。」



ハルがにっこりとロイに微笑む。

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp