第24章 誕生日
『――――君と、共に生きたい。』
恋や愛をようやく理解し始めた私にとって、その言葉が何を意味しているのかは正確に掴めなかった。
未知の言葉だ。
ただ、その言葉が刹那的なものではなく、これから先の未来をずっと、という遥かに長い時を指していることだけはわかる。
「本気、なの…かな……?」
小さな頃から私を見てくれていたことや、リンファが言ってくれた、私が少しでもリヴァイさんを救えているとしたら………リヴァイさんが私を想ってくれるに至った経緯も少しは納得できる。
でも、エルヴィン団長とは出会ってからそう月日も経っていなくて、近くで仕事をさせてはもらっているものの、そこまで何か大きな心の変化を齎すようなことがあっただろうか……。
私じゃなくても、エルヴィン団長は女性から引く手数多のはずだ。
私にはエルヴィン・スミスという人物が計り知れなくて、その言葉の受け取り方が分からない。
私はそれを丁寧に小箱に戻し、封印するかのようにリボンをかけて引き出しに戻した。